(愛称)「丘の上の家」では、1階部分の耐震改修、断熱改修を行いました。
床の断熱改修は、快適性をアップさせるためにおすすめな断熱改修です。冬の足元の冷たさを軽減させることができるからです。
断熱性能を上げるために重要なポイントは、主に下記の3つです。
・断熱材の性能 ”熱伝導率(ねつでんどうりつ)”
・断熱材の厚さ
・施工の丁寧さ(断熱欠損がないこと)
断熱材の性能と厚さから「熱抵抗値(ねつていこうち)=熱の伝えにくさ」が決まり、なるべく熱を通しにくい断熱材を厚く施工することで、熱抵抗値が高くなり、断熱性能が高くなります。

どの断熱材を選ぶかの判断材料としては、性能だけではなく費用や施工のしやすさがとても重要です。同じ断熱性能をめざすのでも、部位によって、高性能断熱材を薄く施工する方が良いところ、高性能ではなくても断熱材を厚く施工する方が良いところがあります。施工箇所に合わない断熱材を選んでしまうと、手間がかかって人件費が高くなる、断熱欠損が生じるなどの問題が起きやすいです。
それぞれの住宅に合わせて総合的に考え、断熱材の種類とその厚さを検討する必要があります。

上の写真は、改修前の床下の様子です。厚さ30㎜程度の”発泡スチロール”が施工されていましたが、残念ながら、一部がはずれて落ちてしまっていました。落ちてしまっている部分については、断熱していないのと同じ状況となってしまいます。

廊下部分には、厚さ50mm程度の”グラスウール10K”がはめ込まれていました。既存の壁断熱に使われていたのと同じ断熱材です。
ボード状に加工されたものなら良いのですが、このような形のグラスウールは床の断熱には向いていません。湿気を吸って重くなり、垂れてしまうからです。このように隙間ができてしまっては床下の冷気が入り込んでしまい、断熱の効果が激減してしまいます。

上は、フローリングや古い断熱材を取り除いたあと、新しい断熱材を施工する前の写真です。(愛称)「丘の上の家」では、”根太(ねだ)”や”大引き(おおびき)”はそのまま再利用する計画とし、床の断熱材は根太間にはめ込むことにました。
根太は厚みが45㎜しかありません。その中で最大限に断熱性能を高めるため、今回は高性能断熱材”ネオマフォーム”45㎜厚を選びました。
床の断熱材を施工する前に、シロアリ対策として、根太と大引きを含めた床上1mまで、専門業者による防蟻処理を行いました。

30年近くたった根太は、反っていたりずれて打ち付けられていたりするので、全部がきっちり均等な大きさではありません。大工さんが、1枚ずつ測りながら根太の間にネオマフォームをはめていきます。
最後に、どうしても隙間ができてしまった部分には現場発泡のウレタンフォームを吹き付け、床下からの冷気が室内に入り込まないように丁寧に施工していきます。

ネオマフォームは熱伝導率λ=0.02[W/mK]と、改修前に使われていた発泡スチロール(熱伝導率λ=0.04 [W/mK])やグラスウール10K(熱伝導率λ=0.05 [W/mK])の2倍以上熱を伝えにくい素材です。それぞれ45㎜、30㎜、50㎜の厚さで計算すると、熱抵抗値(R値)は2.25・0.75・1程度と、ネオマフォーム45㎜はそれ以外と比べて2倍以上熱を伝えにくい値となりました。
断熱改修を行うときは、断熱材の性能と厚みで断熱性能を確保し、それを隙間なく施工することで、その性能を最大限生かすことが大切です。