(愛称)「丘の上の家」では、1階の天井・壁・床をはがして、耐震改修・断熱改修を行いました。
今回は”筋かい(すじかい)”の追加による耐震補強について紹介します。

改修前の構造について耐震診断を行ったところ、東西方向(上の写真で左右方向)の揺れに対する耐震性が低いことがわかりました。そこで、今まで筋かいが片方向にしか入っていなかったところに逆の傾きの筋かいを追加して、”両筋かい(りょうすじかい)”とすることで壁の強度を高める計画としました。

この押入の背面にあたる間仕切り壁には、もともと1間(柱の芯から芯で1,920㎜)の中に片筋かいが1本しか入っていませんでした。その真ん中に柱を新設し、その両側にたすき掛けに筋かいを入れていきます。

新設した柱の両側に、たすき掛けの両筋かいが入りました。もちろん、筋かい金物も取り付けています。
片筋かいを両筋かいにすれば、単純に筋かいによる壁の強度が2倍になります。

新設する柱は、土台や梁に”ホゾ”を差し込むことができないので、パイプコーナーという接合金物を使って固定します。力がかかっても柱が横にずれたりしないように、金物は土台や梁にしっかりはめ込んで取り付けられます。

掃出し窓の両脇にある数少ない南側の外壁面2ヶ所も、両筋かいとして強度を確保しました。

システムキッチンを取り付ける壁面には、もともとは半間(柱芯910㎜)と1間(柱芯1820㎜)の片筋かいが入っていましたが、ここにも筋かいを追加して強度を高めていきます。

キッチンにも、柱を増設して両筋かいを3ヶ所設置しました。筋かいがトリプルXとなって、とっても強そうです。
合計7ヶ所の半間(柱芯で910㎜幅)の両筋かいが取り付けられ、東西方向の揺れに対しても建物が倒壊しないように耐震補強されました。