(愛称)「居ぶくろはうす」では、外壁の充填断熱材として袋入りの高性能グラスウールが使われました。湿気に弱いグラスウールを使用する場合は、室内の湿気を壁体内に入れないように防湿気密シートを室内側に隙間なく施工することが大切です。同時に室外側には透湿防水シートを貼って、湿気を外に放出できるようにしておくことも大切です。
袋入りのタイプのグラスウールは耳付きの防湿気密シートがセットになっていて便利!なのですが、断熱材を隅々まで入れること、防湿気密シートを柱の室内側に切れ目なく施工すること、に気を付けて施工しなくてはなりません。施工の仕方次第で発揮できる性能が変わってしまうものなので、費用対効果を最大限に出せるように気をつけて使いたい素材です。
外壁に断熱材を充填したら、防湿気密シートの上から”配線胴縁(はいせんどうぶち)”を施工します。”配線胴縁”とは、石膏ボードの下に電気の線などを通すための空気層を設けるため、柱や間柱の室内側に施工する下地材です。
室内側に張る石膏ボードと防湿気密シート(断熱材)との間に隙間をつくり、電気の配線やスイッチなどを防湿・気密ラインの室内側に施工することで、防湿気密シートを傷つけずに配線することができます。配線胴縁に石膏ボードをビス止めしていくので、石膏ボードのサイズに合わせて横方向にも同じ厚みの木材を入れてあります。
配線胴縁は、配線のための空気層を確保するだけではなく、防湿気密シートの耳(断熱材より大きくピラピラしている部分)を柱や間柱にしっかり固定するという役割も期待できます。隙間のない防湿気密層をつくるために、配線胴縁はとても大事な役割を担っています。
防湿フィルム付きの断熱材に、貫通する穴を開けなければならないところもあります。そういうところは、あとから気密テープで隙間を塞ぎます。今回は、伸縮性のあるストレッチガードを使用しました。
石膏ボードの下地として、構造用合板を張るところもあります。エアコンや壁付テレビを設置する予定のところには、重いものを取り付けても大丈夫なようにあらかじめ合板を入れておくのです。そういうところは、配線胴縁と構造用合板の高さを揃えて石膏ボードがピッタリ納まるように施工します。
このように、断熱材と石膏ボードの間には、配線胴縁をはじめいろいろな工夫が詰め込まれています。