(愛称)「集いの家」の外壁は、1階部分と南面は”そとん壁”、2階部分の東西と北面は”ガルバリウム鋼板”の外装材です。今回は、そとん壁の外装材を施工しているときの様子をご紹介します。
“そとん壁”の材料は、マグマが堆積してできた”シラス”を主原料とした自然素材で、左官屋さんが外壁材に塗り付けて施工します。2層構造のメカニズムで雨は自然と外部に排出されるので、中までしみこむことはありません。透湿性、断熱性、遮音性、耐久性など、外装材としての性能の高さに加え、その味わい深い仕上がりがとても人気のある外装材です。
福安工務店の新築住宅では、外壁全面に構造用合板と透湿防水シートを張り、いったん防水層を施工します。そとん壁を施工する面は、その上から胴縁を打って、”木ずり”といわれる薄くて細長い板を間隔を空けて施工していきます。木ずり下地は仕上げたら隠れてしまうのですが、味わいがある風景なので好きな工程の1つです。
木ずりの上にもう一度防水シートを張り、その上から”ラス”といわれる金属のメッシュを取り付けていきます。ラスは左官の材料を付着させるために必要な下地材です。
そとん壁だけでも防水性能が高いのに、この段階で、すでに2重の防水層が施工されているということがわかります。雨が降っても安心ですね。
いよいよそとん壁を施工していきます。下塗りの中に、クラック防止のための細かいネットを塗り込んでいます。
サッシのまわりには、そとん壁が付かないようにテープで養生をしています。このテープは、仕上げ厚さを確認するための1つの目安にもなっています。
出隅の部分はぶつかったりすると欠けやすいので、補強のためにコーナーガードを取り付けています。
上から下まで張ってあるピンクの水糸は、厚みを均一に施工するための目印です。これを頼りに、左官職人さんがコテで模様をつけながら一定の厚みになるように仕上げていくのです。
上塗りが施工されました。コーナーガードもすっかり隠れ、いい感じにざらっとした仕上りになっています。そとん壁の仕上塗りはいろいろなパターンがありますが、(愛称)「集いの家」ではスチロゴテ仕上げとなっています。
そとん壁は乾いてくると、色が白っぽく変化して、仕上げの陰影がはっきりしてきます。
そとん壁もしっかり乾き、足場がはずれました。スチロゴテ仕上げの模様が味わい深くて素敵です。スタイリッシュなガルバリウム鋼板と素朴な味わいのあるそとん壁の組み合わせは、それぞれの良さをより引き立ててくれるので、とてもおすすめです。