無垢の床材

木は熱を伝えにくく肌触りも良いので、素足で歩くのが気持ちよいです。松系の床板は年月が経つにつれ白っぽい表面から赤色に変化をしてきれいな木目が目立つようになります。
水分には弱いので、液体をこぼしてしまったときはすぐにふき取るなどの注意が必要ですが、こまめなメンテナンスは特に必要ありません。無垢床材は、内側まで全部同じ木でできているので、こすれたり傷がついてしまってもその部分だけ薄く削ってオイルを塗るだけで補修ができ、長く使い続けることができます。

和紙の壁紙

福安工務店では、壁の仕上げに和紙を採用しており、有害な化学物質が発生しない高性能なでん粉系接着剤を使用しています。和紙は手触りがよく、風合いが落ち着いているのが最大の魅力です。自然素材のみを原料としているので、燃やしても有害物質を発生しない、人にも地球にも優しい素材です。水やこすれには弱いので注意が必要ですが、それも味わいと思っておおらかに付き合っていくのが良いかもしれません。
壁には、ご希望に合わせてしっくいや珪藻土を塗ることもあります。このような自然素材に囲まれた空間は、体に心地よいだけでなく優しく心も和ませてくれます。

大工による造作家具

大工が木で作る造作家具は、その家のその場所に合わせて必要なサイズの使いやすい形に作ることができます。木でできた家具は肌触りが優しく、使い込んでいくうちによりなじんでくるも魅力のひとつです。

そとん壁の外壁

九州南部に堆積しているシラスを原材料とする塗り壁「そとん壁」を採用しています。
100%自然素材の多孔質なシラスは、2 層構造とすることで防水性と透湿性を両立でき、さらに断熱・保温効果、遮音性にも優れ、紫外線や風雨にも強い劣化がおきにくい仕上げ材です。表面の防水処理が必要ないので、防水性能の劣化がなく、塗り替えの必要がありません。

玄関ポーチ

玉砂利仕上げ、玉石仕上げ等、左官職人による味わい深いテイストの仕上げが可能です。
「我が家だけの特別な模様」にすることもできますし、記念にお子さんの小さな手形を残すというようなこともできます。

頑丈な基礎

頑丈な基礎とするため、ダブル配筋にするなど、たくさんの鉄筋を入れています。配筋後は、コンクリート打設前に専門機関による確認検査をしています。
ドミノ工法はシンプルな基礎の配置となるので、施工後も床下のメンテナンスがしやすいです。

エコボロンによる防蟻

木造住宅の耐久性を高めるためには、シロアリ被害防止のための防蟻処理が欠かせません。構造材がシロアリにやられてしまうと、強度を保てないからです。しかし、農薬系の薬剤は揮発性の化学成分が入っているので、高気密住宅で使用するとシックハウス症候群な どの健康被害が心配です。
私たちが防蟻処理に使用している「エコボロン」は「ホウ酸塩鉱物」を主原料としており、揮発や分解をしないため空気を汚さず、効果が長期間持続します。人には優しい成分なので、床下空間が室内とつながっているつくりや、お子様がいるご家庭にも安心して使うことができるのです。
住宅性能表示制度の劣化対策等級 3 にも対応しており、性能保証もつけているので安心してお住まい頂けます。

国産の良質な無垢材

柱や梁などの構造材には、質の良い国産の無垢材を使用しています。十分に乾燥させた素性の良い芯持ち材は、反りや歪みが少なく、丈夫で長持ちする住宅になります。無垢材は、建てた後もゆっくり乾燥しながら強度を増していくといわれており、長く住み続ける家にはおすすめの構造材です。また、自然な木目を楽しめること、湿気の吸放出作用に期待できることから、柱や梁などを隠さない仕上げとすることが多いです。
最近は集成材の技術が進み、建物完成時に均一な強度を出せることから、構造材には集成材を使用するメーカーが増えてきました。しかし、集成材は接着剤を使用しているため化学物質には注意が必要であること、接着剤の耐久性を考えると強度が少しずつ小さくなっていくことが懸念されています。これらのことから、私たちは高い耐久性を持つ国産の無垢材にこだわって構造材を選んでいます。

構造金物

構造計算で強度を確認し、構造金物やボルトの種類を決定しています。また、必要に応じて制振ダンパー^※1 なども設置しています。構造金物の設置後には、すべての箇所について外部の専門機関による確認検査を受けており、ダブルチェックにより施工ミスを防いでいます。
無垢の構造材は、乾燥された木材であっても、長い年月が経つと多少の木やせが想定されるため、羽子板ボルトには木やせに追随する耐震座金^※2 を設置するなど、建てた後も安心して永く住み続けられる家になるように施工しています。

※1 制振ダンパー:地震の揺れを止めるのではなく、その揺れを吸収する装置

※2 耐震座金(タイトニック):木やせや地震等でゆるむナットをバネの力で自動的に締める金物

断熱材

屋根は外張り断熱(または充填断熱と併用)、壁は柱の厚みを生かした充填断熱(または外張り断熱と併用)、基礎は内張り断熱とすることが多いです。筋交いや制振ダンパー、換気口のまわりなどは、高性能グラスウールをすきまがないように丁寧に敷き詰め、上から防湿気密シートを全面に貼ることで、断熱・気密のすきまができないようにしています。計画によって、断熱材の種類を変更することはありますが、求める性能が確保できるようにしっかり検討しています。

丁寧な施工

防水層はもちろん、防湿・気密層も切れ目のない丁寧な施工をすることが大切です。中途半端な施工をすると、壁体内結露などにつながるので、表には見えないところだけれど細心の注意が必要です。

高断熱窓

窓は、樹脂サッシまたは高性能ハイブリッド窓等、断熱性能の高い窓を採用しています。
ガラスはペアガラスまたはトリプルガラスのアルゴンガス入りとし、基本は南面に日射取得タイプ、その他は遮熱タイプの Low-E ガラスを採用しています。
採光や通風のことを考え、さらに冬は太陽の熱を取り入れて夏はさえぎることができるよう、方位や軒の出なども含めトータルに考えて、窓の大きさ・配置などを計画しています。

間取りの可変性

木造ドミノ住宅は、10 寸角の大黒柱が構造を支えているので、構造のための間仕切り壁を設置する必要がなく、後からでも間取りを自由に変更することが可能です。お子さんが小さいうちは広く使って、大きくなったら間仕切り壁や可動式の収納棚などで空間を仕切り、お子さんが独立したらまた間取りを変更、ということも簡単にできるのです。ライフスタイルの変化によって快適に暮らすための間取りは変わってくるため、長く住み続けるためには可変可能であるということはとても重要な性能なのです。

設備の修理・交換容易性

木造ドミノ住宅は、電気や給排水の配線・配管を構造躯体内に埋め込まない工夫をすることで、いずれ必要となる設備のメンテナンスや間取りの変更を実施しやすくしています。長寿命住宅では建物よりも設備の寿命の方が短いため、長く住んでいると水回りなどの設備の修理や交換が必要になってきます。配管や配線にアクセスしやすいつくりにすることで最低限の工事で修理や交換が可能になります。
「配線長押」もその工夫の一つです。長押状の箱を部屋の上部にぐるりと回して配線を通すことで、電気の配線を追加したい時も壁を壊さずに簡単に追加することができます。ライフスタイルに合わせて自在に変更可能なため、より長く、快適に過ごせる空間をつくることができます。

メンテナンス費用を抑える素材

住宅は建てたら終わりではなく、長い年月を暮らすうちに必ずメンテナンスが必要になってきます。建物よりも寿命の短い設備はもちろんですが、屋根や外壁、壁紙や床材などもその対象となります。これらは、どのような素材を選ぶかでその後のメンテナンス費用に大きく差が出てきます。特に外装の修繕には足場代など多額の費用が掛かるため、10 年ごとに塗り替えが必要になるような素材を選んでしまうと 100 万円単位で追加費用が必要になってしまいます。
私たちは建てる時だけではなく、長く住むことを想定してトータルでの費用や手間を考え、使用する材料や適用する場所をお客様にご提案させて頂いております。

深い軒の出

私たちは軒の出を長く出すことを推奨しています。雨を防ぎ、紫外線を遮ってくれるので、外壁が傷みにくく、雨垂れなどの汚れもつきにくくなります。洗濯物を干しているときに急に雨が降ってきても、少しの雨なら洗濯物を濡らしません。さらに、南側の軒は熱環境にもとても重要で、十分な長さを出しておくと、太陽高度の高い夏には日差しを遮り、太陽高度の低い冬は日差しを取り込むことができるので、快適な室内環境作りに役立 ちます。とはいっても、敷地条件によってなかなか軒を出せないことが多いのですが、一軒一軒、想いを込めて計画しています。